- 効果のある治療法を見分ける方法を知りたい方
- プラシーボ効果とは?
- 良かれて思って行っていることが本当かどうか?
- 現代医学は科学的に進んでいるので絶対に正しいと信じ込んでいる。
今回は、このような方を対象に記事を書いていきます。
✓本記事の内容
- その治療、思い込みやに騙されていませんか?
- なぜ、その治療法が効果があるわかるのか?
こんにちは。
尼崎で東洋医学南整体院をやっている 南です。
私はこの治療業界に約15年います。
いくら経験をこなしても、プラシーボ効果と自然治癒と 治療の効果の違いを見分けることが臨床の中で すぐに見分けることは難しいです。
こうやって記事を書きながら本当に勉強になりました。 頭の中を整理できました。
私の勝手な考えですが、自然治癒・プラシーボ効果・治療効果 が関わって症状が回復します。
患者に施術をするにあたって優先順位を決めれば、間違った施術や 治療法をしないのではないのかと思います。
その治療、思い込みで騙されていませんか?
いくら治療成績がいいように見えても、 対象群の置かれた比較試験が行われるまでは、 どんな治療効果も信じ切ることはできません。
なぜなら、何の効果もない治療法に無駄な時間とお金を費やすだけでなく、 逆に、副作用や合併症まで背負い込んでしまうことがあるからです。
プラシーボ効果とは
プラシーボとは、乳糖や砂糖錠、デンプン、生理食塩水などの薬としての作用が ない偽薬(偽物の薬)、またはシャムトリートメント(見せかけの治療) のことを言います。 効果のないプラシーボによって症状が改善することをプラシーボ効果といいます。 全ての医療行為の結果は常にプラシーボ効果があります。
アメリカのコブらの研究チーム
1950年に大変流行った狭心症に対する手術 過去にあったプラシーボ効果による手術をご紹介します。 狭心症に対する手術に内胸動脈結紮術という手法が ありました。 どんな方法かと言うと、胸の内側に縦に走っている2本の動脈を 糸で結ぶ手法です。この時代1950年代は優れた治療法として注目されていました。
17名の狭心症患者を対象に2つのグループに分けて成績を比較しています。
一つは、内胸動脈結紮術。 2つは、シャムトリートメント(内胸動脈は露出させるが結紮しない)。 です。 患者にも解析担当者にも治療内容を知らせずに行われまいた。 その結果は、 術後、6ヶ月目には手術群の63%、シャムトリートメント群は56%が 改善しました。 ニトログリセリンの使用量は、手術をした方は34%減少しました。 シャムトリートメント群は42%減少しました。
アメリカのディモンドらの研究
18名の狭心症患者に、内胸動脈結紮術群とシャムトリートメント群に 無作為に割り付け、両群の成績を比較しました。
患者にも解析担当者にも治療内容を知らせずに行われました。 その結果は、なんと、両群ともに全身に改善がありました。
なおかつ、1年後でも手術をした方は69%、シャムトリートメント群は 全員が良好な状態を維持していたと報告されています。
こうして内胸動脈結紮術の成績は、 プラシーボ効果にすぎないことがわかりました。
このように最初は効果があるように考えられていたものが、 その後の比較試験によってプラシーボ効果を超えられないことが 証明され、無くなった治療法はたくさんあります。
なぜ、その治療法が効果があると分かるんですか?
どんな病気であろうとも、一般的に患者の回復する理由は、 3つのうちのどれかです。あるいは、これらの相互に 関わり合って回復します。
①自然治癒力(自然経過)
②治療による非特異的効果(プラシーボ効果)
③治療による特異的効果(純粋な治療効果)
純粋なかたちで治療方法を評価するには、プラシーボ効果と 自然治癒力を排除して評価することが重要です。
治療成績を評価する方法
すべての治療行為にはプラシーボ効果があります。 もう一つ大切なものが自然経過です。
これはプラシーボ効果と同じくらい大切なことです。
治療法を効果があるといいたいのなら、少なくても 何もしない状態よりも早く治ることを証明する必要が あります。
自然治癒力の威力
デーヨとツイ・ウーらの調査
1976~1980年の間に全米健康栄養調査(NHANES-Ⅱ)によって 2万7801名のデータの中から腰痛に関するアンケート調査を分析 調査しました。
その結果は、急に腰痛が発症したとしても、痛みは2週間以上続くのは わずか13.8%です。86.2%は2週間以内に自然治癒します。
つまり、急性腰痛患者の10人中8人以上は、2週間以内に自然治癒 するとういことです。
急性腰痛に関しては、ある治療法が有効だと判断するには2週間以内に 86%以上の患者を治せなければならないんです。
この自然治癒率を超えられなければ、その治療法は何もしないのと 同じです。また、価値がないだけでなく、自然治癒を邪魔している 可能性すらあります。
どんな治療法であれ、その効果を科学的に証明するには、 プラシーボ効果と自然経過のことを頭に入れておく必要が あります。
純粋なかたちで治療方法を評価するには、プラシーボ効果と 自然治癒力を排除して評価することが重要です。
そのためにも、可能な限りエビデンスレベルの高い研究を する努力が必要です。
まとめ
治療効果が本当がどうか見分けるには、 いくら治療成績がいいように見えても、 対象群の置かれた比較試験が行われるまでは、 どんな治療効果も信じ切ることはできません。
間違った治療法や施術をしない方法は、 自然治癒力、プラシーボ効果、治療効果 の三つの中から優先順位を決めることで 防ぐことができると思いました。
昔から、正しいと思っていた治療法が 全然間違ったことだったりするこはたくさんあります。
逆に間違っていると思っているのが正しかったりします。
例えば、湿潤療法があります。昔は、傷を消毒することが 当たり前でした。そうすれば、早く治るとさえ考えれて いました。
今では、逆に消毒すると治りが悪く、傷口もきれいにならない ことが分かっています。
良かれて思っていたことが悪かったりするのはたくさんあります。
科学雑誌で有名な『ネイチャー』があります。 藤井厳喜さんが言っていましたが、 10年後か20年後になって、正しかったのは約20% だそうです。
80%は後になって間違っていたことがわかります。
科学とはそんなものです。
科学だから、いいですが、人間の体に行われる治療に なると間違ったではすまされないと考えております。
そこで、一番優先度の高いものは自然治癒>プラシーボ効果>治療効果 とした方がいいのではないのかと考えています。
どんなに治療効果があったとしても、自然治癒を邪魔するものは やらない方がいい治療ではないのかと思っています。
治療を開発あるいは改善するには、自然治癒力を邪魔しない プラシーボ効果も邪魔しないという条件をクリアーした ものにした方がいいですね。
案外、医療者側、患者さん側ともにこのことを忘れがちですね。
本日も最後までご覧いただきありがとうございました。
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