こんにちは。
尼崎で東洋医学南整体院をやっている
南です。
本日は、「終始第九」についてです。
第一~三までは、五行ツボについてです。
第四は臓腑の主に藏について
第五は府について
第六は視診と予後
第七は鍼の運用の仕方。
第八は精神作用
第九は一通りの鍼治療の仕方です。まとめです。
鍼経で最も大切なものはこの第九までです。
基本的に鍼治療の流や考え方の説明されています。
それでは、やっていきましょう。
◆終始第九.
凡刺之道.
畢于終始.明知終始.五藏爲紀.陰陽定矣.
陰者主藏.陽者主府.陽受氣于四末.陰受氣于五藏.
故寫者迎之.補者隨之.知迎知隨.氣可令和.
和氣之方.必通陰陽.五藏爲陰.六府爲陽.傳之後世.
以血爲盟.敬之者昌.慢之者亡.無道行私.必得天殃.
謹奉天道.請言終始.終始者.經脉爲紀.持其脉口人迎.
以知陰陽有餘不足.平與不平.天道畢矣.
凡そ刺の道.畢于終始に畢る.明かに終始を知る.五藏を紀と為す.
陰陽定まる矣.
陰は藏を主る.陽は府を主る.陽は氣を四末に受け.
陰は氣を五藏に受く.
故に寫とは之を迎え.補とは之に隨う.迎を知り隨を知る.
氣は和せしむべし.
氣を和する之方.必ず陰陽に通ず.五藏を陰と為す.六府を陽と為す.
之を後世に傳うるに.血を以って盟と為す.之を敬うものは昌え.之を慢るものは亡ぶ.
道を無くして私を行えば.必ず天の殃を得ん.
謹しんで天道を奉じ.請う終始を言わん.終始とは.經脉を紀と為す.
其の脉口人迎を持つ.以って陰陽有餘不足.
平與する不平を知る.天道畢る矣.
※紀=糸口
盟=誓い
殃(オウ)=わざわい
所謂平人者不病.
不病者.脉口人迎.應四時也.
上下相應而倶往來也.六經之脉.不結動也.
本末之寒温之相守司也.形肉血氣.必相稱也.是謂平人.
少氣者.脉口人迎倶少.而不稱尺寸也.
如是者.則陰陽倶不足.補陽則陰竭.寫陰則陽脱.
如是者.可將以甘藥.不可飮以至劑.
如此者.弗灸※.不已者.因而寫之.則五藏氣壞矣.
所謂平人とは病まず.病まずとは者.脉口人迎.四時に應ずなり也.
上下相應し而して倶に往來するなり也.六經之脉は.不結動せざるなり也.
本末の寒温の相い守司するなり.形肉血氣.必ず相い稱うなり也.
是れ平人と謂う.少氣とは者.脉口人迎倶に少なし.而して尺寸と稱わずなり也.
是の如くのものは者.則ち陰陽倶に不足なり.陽補い則ち陰竭き.陰を寫し則ち陽脱する.
是の如くのものは.可將に甘藥を以ってすべく.可飮至劑を以って飲むべからず.
此の如くのものは.灸せず.已まざるものは.因って而して之を寫す.
則ち五藏の氣壞る矣.
※稱(カナ)うなり
人迎一盛.病在足少陽.一盛而躁.病在手少陽.
人迎二盛.病在足太陽.二盛而躁.病在手太陽.
人迎三盛.病在足陽明.三盛而躁.病在手陽明.
人迎四盛.且大且數.名曰溢陽.溢陽爲外格.
脉口一盛.病在足厥陰.一盛而躁.在手心主.
脉口二盛.病在足少陰.二盛而躁.在手少陰.
脉口三盛.病在足太陰.三盛而躁.在手太陰.
脉口四盛.且大且數者.名曰溢陰.溢陰爲内關.内關不通.死不治.
人迎與太陰脉口倶盛四倍以上.命曰關格.關格者.與之短期.
人迎一盛(イッセイ).病足の少陽に在り.一盛而して躁.病手の少陽在り.
人迎二盛.病足の太陽に在り.二盛而して躁.病手の太陽に在り.
人迎三盛.病足の陽明に在り.三盛而して躁.病手の陽明に在り.
人迎四盛.且つ大且つ數.名づけて溢陽と曰う.溢陽は外格と為す.
脉口一盛.病足の厥陰に在り.一盛而して躁.手の心主に在り.
脉口二盛.病足の少陰に在り.二盛而して躁.手の少陰に在り.
脉口三盛.病足の太陰に在り.三盛而して躁.手の太陰に在り.
脉口四盛.且つ大且つ數なるものは.名づけて溢陰と曰う.溢陰は内關と為す.
内關は通ぜず.死して治らず.
人迎與する太陰脉口倶に盛んなること四倍以上は.命じて關格と曰う.
關格とは.之に短期を与(アタ)う.
※躁=騒がしい。
人迎一盛.寫足少陽.而補足厥陰.
二寫一補.日一取之.必切而驗之.疏取之上.氣和乃止.
人迎二盛.寫足太陽.補足少陰.二寫一補.二日一取之.必切而驗之.疏取之上.氣和乃止.
人迎三盛.寫足陽明.而補足太陰.二寫一補.日二取之.必切而驗之.疏取之上.氣和乃止.
脉口一盛.寫足厥陰.而補足少陽.二補一寫.日一取之.必切而驗之.疏而取上.氣和乃止.
脉口二盛.寫足少陰.而補足太陽.二補一寫.二日一取之.必切而驗之.疏取之上.氣和乃止.
脉口三盛.寫足太陰.而補足陽明.二補一寫.日二取之.必切而驗之.疏而取之上.氣和乃止.
所以日二取之者.太陽主胃.大富于穀氣.故可日二取之也.
人迎與脉口倶盛三倍以上.命曰陰陽倶溢.如是者.不開則血脉閉塞.氣無所行.
流淫于中.五藏内傷.如此者.因而灸之※.則變易而爲他病矣.
人迎一盛.足の少陽を寫す.而して足の厥陰を補う.
二寫一補.日に一之を取る.必ず切して而して之を驗す.躁之を上に取る.氣和す乃ち止む.
人迎二盛.足の太陽を寫法す.足の少陰を補う.二つ寫して一つ補う.二日に一つ之を取る.
必ず切して而して之を驗す.躁は之の上に取る.氣和して乃ち止む.
人迎三盛.足の陽明を寫す.而して足の太陰を補う.二つ寫し一つ補う.日に二つ之を取る.
必ず切して而して之を驗す.躁は之の上に取る.氣和して乃ち止む.
脉口一盛.足の厥陰を寫す.而して足の少陽を補う.二つ補う一つ寫す.日に一つ之を取る.
必ず切して而して之を驗す.疏は而して上に取る.氣和して乃ち止む.
脉口二盛.足の少陰寫して.而して足の太陽を補う.二つ補う一つ寫す.二日に一つ之を取る.
必ず切して而して之を驗す.躁は之の上に取る.氣和して乃ち止む.
脉口三盛.足の太陰を寫す.而して足の陽明を補う.二つ補して一つ寫す.日に二つ之を取る.
必ず切して而して之を驗す.躁は而して之の上に取る.氣和して乃ち止む.
所以日に二つ之を取るものは.太陽(陰)は胃を主る.大いに穀氣を富む.
故に日二つ之を取るべきなり也.
人迎與する脉口倶に盛んなること三倍以上.命づけて陰陽倶に溢と曰う.如是の如くのものは.
開かず則ち血脉閉塞す.氣の行く所無し.
中に流淫す.五藏は内を傷る.此の如くのものは.因って而して之に灸す.
則ち變易して而して爲他病と為る矣.
※驗()=調べて確認する。
疏=躁 疏取之上
太陽主胃.=太陰では
凡刺之道.氣調而止.
補陰寫陽.音氣益彰.耳目聰明.
反此者.血氣不行.所謂氣至而有效者.寫則益虚.虚者.脉大如其故而不堅也.
堅如其故者.適雖言故.病未去也.補則益實.實者.脉大如其故而益堅也.
夫如其故而不堅者.適雖言快.病未去也.故補則實.寫則虚.痛雖不隨鍼.病必衰去.
必先通十二經脉之所生病.而後可得傳于終始矣.故陰陽不相移.虚實不相傾.取之其經.
凡そ刺の道.氣調って而して止む.陰を補い陽を寫す.音氣益々彰かにして.耳目聰明なり.
此れに反するものは者.血氣行かず.所謂氣至って而して效有りとは.寫す則ち虚を益す.
虚とは者.脉大其れの如く故に而して堅からず也.
堅さ其れの如く故のものは.適々(タマタマ)故のごとしと言うと雖も.病未に去らず也.
補う則ち實を益す.實とは者.脉の大さは其の故の如くに而して堅を益すなり也.
夫れ其の故の如く而して堅からずとは.適々(タマタマ)快(こころよし)と言うと雖も.
病未に去らずなり也.故に補す則ち實す.寫す則ち虚す.痛み鍼に不隨と雖も.病必ず衰え去る.
必ず先ず十二經脉之生ずる所の病に通じ.而して後ち得終始に傳得るべき矣.故に陰陽相い移らず.
虚實相い傾かざるは.之を其の經に取る.
※堅如其故者=大如故而益堅者
凡刺之屬.三刺至穀氣.邪僻妄合.
陰陽易居.逆順相反.沈浮異處.四時不得.稽留淫泆.須鍼而去.
故一刺則陽邪出.再刺則陰邪出.三刺則穀氣至.穀氣至而止.
所謂穀氣至者.已補而實.已寫而虚.故以知穀氣至也.邪氣獨去者.陰與陽未能調.而病知愈也.
故曰.補則實.寫則虚.痛雖不隨鍼.病必衰去矣.
凡そ刺の屬.三刺して穀氣至る.邪僻(ジャヘキ)妄合し.陰陽居を易(カ)え.逆順相い反し.
沈浮處を異にし.四時得ず.稽留して淫泆するは.須(スベカラ)く鍼して而して去らしむべし.
故に一刺す則ち陽邪を出す.再び刺す則ち陰邪を出す.三刺す則ち穀氣至る.穀氣至る而して止む.
所謂穀氣至るとは.已に補す而して實す.已に寫し而して虚す.故に以って穀氣至るを知るなり也.
邪氣獨り去るとは.陰與する陽未に能く調わず.而して病の愈ゆるを知るなり也.
故に曰はく.補す則ち實す.寫す則ち虚す.痛み鍼に不隨と雖も.病必ず衰え去る矣.
※
まとめ
本日は
「霊枢あるいは鍼経の「終始第九」(法野)について前編」について
説明しました。
次は後編です。
本日も最後までご覧いただきありがとうございました。
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