- 腰痛で腰椎椎間板ヘルニアと診断され、安静にするように 言われたけど、期間はどのくらいなのか
- 腰痛で腰椎椎間ヘルニアなんだけど、安静はいいの?
- 腰椎椎間板ヘルニアによる腰痛に安静の効果は?
これらの疑問にお答えします。
✓本記事の内容
- 腰椎椎間板ヘルニアの腰痛で安静期間は必要ありません
- 腰痛による安静は合併を誘発する
- 腰痛であって安静にせず、できるだけ日常生活を続ける
こんには。 尼崎で東洋医学南整体院をやっている 南です。 私は約15年治療業界に携わっています。 その中で、自分の経験と最新の研究を 踏まえて、情報を提供しています。
腰椎椎間板ヘルニアによる腰痛で安静期間は必要なし
腰痛で病院に行くと、原因が腰椎椎間板ヘルニアだからと 診断され、安静を指示されたけど、どうしたらいいのか?
このままでいいのか、もっと他にいい方法があるのか? 考えてたりしないでしょうか?
腰椎椎間板ヘルニアによる腰痛に、安静臥床は必要ありません。 できるだけ日常生活を続けましょう。
なぜなら、職場復帰がより早くなり、慢性化も防ぎ、再発率も低下 するからです。
いくつか研究をご紹介します。
アメリカのデーヨらの研究チーム
坐骨神経痛のない急性腰痛患者203名を 対象に追跡調査を行いました。
2つのグループに無作為に振り分けました。 2日間の安静臥床グループ 1週間の安静臥床グループ
この経過を調査してみると、その結果は 三週間後腰痛による欠勤日は、1週間の安静臥床 より、2日間の安静臥床群のほうが45%少なかった と報告しています。
この結果から安静臥床は短いほうがいいと言えます。
フィンランドのマルミヴァーラらの研究チーム
急性腰痛患者186名を三つのグループに無作為に分けて 調査しています。
一つ目は、2日間安静臥床ののグループ 2つ目は、腰の可動域を広げる運動療法のグループ 3つ目は、耐えられる範囲で日常生活をするグループ です。
3週間後と12週間後の時点で評価しました。 最も早く回復したのはどのグループだったと思いますか?
最も早く回復したの日常生活グループでした。もっとも 遅かったのが安静臥床のグループでした。
このことから、安静臥床よりも、できるだけ日常生活をするほうが良いと言えます。
オランダのヴルーメンらの研究チーム
坐骨神経痛の患者183名を対象に行いました。 2つのグループに無作為に分けました。
一つは、2週間の安静臥床群 もう一つは、日常生活をそのまま続ける群です。
2週間後、3週間後、12週間後に治療内容を知らされて いない医師が患者を評価しました。
その結果は、12週間後には両方とも87%が 改善していました。この研究での結果は比較するものの 差がありませんでした。つまり、安静臥床が有効だと いう証拠がなかったのです。
イギリスのワデルらの研究チーム
急性腰痛患者に対する安静臥床、日常生活を そのまま続けるアドバイスをしたという論文の 中から、ランダム比較試験を行った18件を選択しました。
それらの論文を検討してみました。
その結果は、安静臥床はかえって回復を遅らせることが 分かりました。
腰痛による安静臥床は合併症を誘発する
私自身もかつて腰痛の患者さんに対して 安静にするようにおすすめしたことが ありました。
痛すぎる場合は、2,3日で痛みが軽減するので、痛みが 軽減してから・・・。
みたいなことをおすすめしていました。
それでいいものとさえ考えていました。
しかし、安静臥床の危険性を示す 興味深い研究がありました。
オーストラリアのアレンの研究チーム
腰痛に安静臥床をテーマにした医学論文のうち、ランダム化比較試験 を行った論文の中から、39件を選択しました。
39件の論文を比較検討した結果、次のことが分かりました。
- 安静臥床によって改善があった研究はひとつもありませんでした。
- 腰椎穿刺、脊椎麻痺、神経根造影、心臓カテーテルといった医学的処置 を行った患者に安静臥床をすると悪化することです。
- 急性腰痛、分娩、妊娠中の蛋白尿を伴う高血圧、心筋梗塞、急性感染性肝炎に 安静臥床を行うと、悪化するということです。
このようなことから、考えていくと、腰痛に安静臥床は効果があるどころか かえって回復を遅らせます。
長期間に渡る安静臥床は身体を弱らせ、腰痛を慢性化させ、機能回復に支障が でるからです。
また、仕事をされている患者は、仕事を休む日数が長くなればなるほど 職場への復帰の可能性が低くなることが明らかです。
さらに、長期安静臥床をすることで、筋萎縮(筋力が弱くなる)、心肺機能の低下、高カルシウム血症、 廃用性骨萎縮(急性骨粗鬆症)、血栓塞栓症(エコノミークラス症候群=血管がつまりやすい) などいろいろな合併症を引き起こす可能性が高くなってきます。
まとめ
いかがだったでしょうか?
腰椎椎間板ヘルニアによる腰痛に安静=安静臥床は効果がないどころか、かえって回復を遅らせます。
決して無理をしてまでとは言いませんが、治療目的で安静にして寝ていることは、逆に危険なことでもあります。欧米では、腰痛患者に安静を指示することは固く禁じれてているほどです。
では、どうすればいいのか?
耐えられる範囲で日常生活をおくりましょう。
そうすれば、早く回復しますし、慢性化も防ぐことが でき、再発率もさがります。
そんなこと考えると、病院に行く意味があるのかどうか 考えてしまいます。
病院に行く意味は腰痛を治すためではなく、その腰痛が 生命に関わる病気ではないかどうか見極めるためです。
命に関わる病気でないと分かったら、現代医療の効果のないもの 以外の効果のある方法を探せばいいわけですからね。
本日も最後までご覧いただきありがとうございました。
コメント