こんにちは。
尼崎で東洋医学南整体院の南です。
本日は、霊枢または鍼経の本輸第二について説明していきます。
本輸第二は五行穴を中心に説明されています。
鍼灸の聖典、霊枢または鍼経の本輸 第二
黄帝問於岐伯曰.
凡刺之道.必通十二經絡之所終始.絡脉之所別處.五輸之所留.
六府之所與合.四時之所出入.五藏之所溜處.闊數之度.淺深之状.高下所至.願聞其解.
黄帝が岐伯に問いて曰はく.凡そ刺の道.必ず十二經絡の所終始に通ず.絡脉の所別處.
五輸の留られる所.六府之與し合わされる所.四時の出入する所.
五藏の溜する所の處.闊數の度.淺深の状.高下至る所.願わくは其の解を聞かん.
岐伯曰.請言其次也.
肺出於少商.少商者.手大指端内側也.爲井木.
溜于魚際.魚際者.手魚也.爲滎.
注于大淵.大淵.魚後一寸陷者中也.爲腧.
行于經渠.經渠.寸口中也.動而不居.爲經.
入于尺澤.尺澤.肘中之動脉也.爲合.手太陰經也.
岐伯曰はく.請う、其の次に言わん也.肺は少商に出る.少商者.手大指端内側なり也.井木と爲す.
魚際に溜す.魚際は.手の魚なり也.滎と爲す.大淵に注す.大淵.魚後一寸陷なる者の中なり也.腧と爲す.
經渠に行す.經渠.寸口の中なり也.動而して居らず.經と爲す.
尺澤に入る.尺澤.肘の中の動脉なり也.合と爲す.手太陰經なり也.
心出於中衝.
中衝.手中指之端也.爲井木.
溜于勞宮.勞宮.掌中中指本節之内間也.爲滎.
注于大陵.大陵.掌後兩骨之間.方下者也.爲腧.
行于間使.間使之道.兩筋之間.三寸之中也.有過則至.無過則止.爲經.
入于曲澤.曲澤.肘内廉下陷者之中也.屈而得之.爲合.手少陰也.
心は中衝に出る.中衝.手の中指之端なり也.井木と爲す.
勞宮に溜す.勞宮.掌中の中指本節之内間なり也.滎と爲す.
大陵に注す.大陵.掌の後にて兩骨之間なり.方に下なる者なり也.腧と爲す.
間使を行す.間使の道.兩筋之間なり.三寸之中なり也.過有るは則ち至る.
過無しは則ち止む.經と爲す.
曲澤に入り.曲澤.肘の内廉の下の陷なる者の中なり也.屈して而して之を得.
合と爲す.手少陰なり也.
※過ぎるは病有り。過ぎる無しは病なし。
過とは、反応。
肝出于大敦.
大敦者.足大指之端.及三毛之中也.爲井木.
溜于行間.行間.足大指間也.爲滎.
注于大衝.大衝.行間上二寸.陷者之中也.爲腧.
行于中封.中封.内踝之前一寸半.陷者之中.使逆則宛.使和則通.搖足而得之.爲經.
入于曲泉.曲泉.輔骨之下.大筋之上也.屈膝而得之.爲合.足厥陰也.
肝大敦に出る.大敦は.足大指の端なり.及び三毛の中なり也.井木と爲す.
行間に溜す.行間.足大指の間なり也.滎と爲す.大衝に注す.
大衝.行間の上二寸.陷なる者の中なり也.腧と為す.
中封に行す.中封.内踝の前一寸半.陷なる者の中.逆せしむれば則宛り.使和せしむれば則ち通ず.
足を搖すって而して之を得.經と為す.曲泉に入る.曲泉.輔骨の下.
大筋の上なり也.膝を屈して而して之を得.合と為す.足厥陰なり也.
※逆せしむれば則宛り。宛は体をかがめることで、血気がうっ滞して積り、血絡が
できること。
脾出于隱白.
隱白者.足大指之端内側也.爲井木.
溜于大都.大都.本節之後下.陷者之中也.爲滎.
注于太白.太白.腕骨之下也.爲腧.
行于商丘.商丘.内踝之下.陷者之中也.爲經.
入于陰之陵泉.陰之陵泉.輔骨之下.陷者之中也.伸而得之.爲合.足太陰也.
脾は隱白に出る.隱白は.足大指の端内側なり也.井木と為す.
大都に溜す.大都.本節の後下.陷なる者の中なり也.滎と為す.
太白に注す.太白.腕骨の下なり也.腧と為す.
商丘に行す.商丘.内踝の下.陷なる者の中なり也.經と為す.
陰之陵泉に入る.陰之陵泉.輔骨の下.陷なる者の中なり也.
伸して而して之を得.合と為す.足太陰なり也.
※腕骨は核骨か?
腎出于湧泉.
湧泉者.足心也.爲井木.
溜于然谷.然谷.然骨之下者也.爲滎.
注于大谿.大谿.内踝之後.跟骨之上.陷中者也.爲腧.
行于復留.復留.上内踝二寸.動而不休.爲經.
入于陰谷.陰谷.輔骨之後.大筋之下.小筋之上也.按之應手.屈膝而得之.爲合.足少陰經也.
腎は湧泉に出る.湧泉は.足心なり也.井木と為す.
然谷に溜す.然谷.然骨の下のものなり也.滎と為す.
大谿に注す.大谿.内踝の後.跟骨の上.陷なる中のものなり也.腧と為す.
復留に行す.復留.内踝の上二寸.動して而して不休.經と為す.
陰谷に入る.陰谷.輔骨の後ろ.大筋の下.小筋の上なり也.之を按じて手に應ず.膝を屈して而して之を得.
合と為す.足少陰經なり也.
※陰谷穴は押さえて圧痛の有るところを探るべきか?
然谷は第一中足骨と第一楔状骨の間です。
太谿穴には湿邪が溜まりやすい。照海から太谿にかけて湿邪が溜まる。
復溜に動脈はなし。
膀胱出于至陰.
至陰者.足小指之端也.爲井金.
溜于通谷.通谷.本節之前外側也.爲滎.
注于束骨.束骨.本節之後.陷者中也.爲腧.
過于京骨.京骨.足外側大骨之下.爲原.
行于崑崙.崑崙.在外踝之後.跟骨之上.爲經.
入于委中.委中.膕中央.爲合.委而取之.足太陽也.
膀胱は至陰に出る.至陰は.足小指の端也.井金と為す.
通谷に溜す.通谷.本節の前外側なり也.滎と為す.
束骨に注す.束骨.本節之後.陷なるもの中なり也.腧と為す.
京骨に過ぎる.京骨.足外側大骨の下.原と為す.
崑崙に行す.崑崙.外踝之後に在り.跟骨の上.經と為す.
委中に入り.委中.膕中央.合と為す.委して而して之を取る.足の太陽なり也.
膽出于竅陰.
竅陰者.足小指次指之端也.爲井金.
溜于侠谿.侠谿.足小指次指之間也.爲滎.
注于臨泣.臨泣.上行一寸半.陷者中也.爲腧.
過于丘墟.丘墟.外踝之前下.陷者中也.爲原.
行于陽輔.陽輔.外踝之上.輔骨之前.及絶骨之端也.爲經.
入于陽之陵泉.陽之陵泉.在膝外.陷者中也.爲合.伸而得之.足少陽也.
膽な竅陰に出る.竅陰は.足小指次指の端なり也.井を金と為す.
侠谿を溜す.侠谿.足小指次指の間なり也.滎と為す.
臨泣に注す.臨泣.上に行くこと一寸半.陷なるものの中なり也.腧と為す.
丘墟に過ぎる.丘墟.外踝の前下.陷なるものの中にあり也.原と為す.
陽輔に行す.陽輔.外踝の上.輔骨の前.及び絶骨の端なり也.經と為す.
陽之陵泉に入る.陽之陵泉.膝外に在り.陷なるものの中にあり也.合と為す.
伸して而して之を得.足少陽なり也.
※輔骨は腓骨。絶骨の端は丘墟を去ること7寸。外果の上は4寸「甲乙経」。
胃出于厲兌.
厲兌者.足大指内.次指之端也.爲井金.
溜于内庭.内庭.次指外間也.爲滎.
注于陷谷.陷谷者.上中指内間.上行二寸.陷者中也.爲腧.
過于衝陽.衝陽.足跗上五寸.陷者中也.爲原.搖足而得之.
行于解谿.解谿.上衝陽一寸半.陷者中也.爲經.
入于下陵.下陵.膝下三寸.胻骨外三里也.爲合.復下三里三寸.
爲巨虚上廉.復下上廉三寸.爲巨虚下廉也.大腸屬上.小腸屬下.
足陽明胃脉也.大腸小腸.皆屬于胃.是足陽明也.
胃は厲兌に出る.厲兌は.足大指内.次指の端なり也.井を金と為す.
内庭に溜す.内庭.次指外の間なり也.滎と為す.
陷谷に注す.陷谷は.上に中指の内の間.上に行くこと二寸.
陷なるものの中なり也.腧と為す.
衝陽に過ぎる.衝陽.足跗の上五寸.陷なるものの中なり也.原と為す.
足を搖すって而して之を得.解谿に行す.解谿.衝陽の上に一寸半.陷なるものの中なり也.經と為す.
下陵に入り.下陵.膝下三寸.胻骨の外三里なり也.合と為す.復た三里の下に三寸.
巨虚上廉と為す.復た上廉の下に三寸.巨虚下廉と為す也.大腸は上に屬す.
小腸は下に屬す.足陽明胃脉なり也.大腸小腸.皆胃に屬す.是れ足陽明なり也.
※胻骨はコウコツ
「巨」は大きいという意味。虚は実は大きい丘の変形なんです。
巨がついてますます大きな丘です。巨虚は大きな丘という意味です。
廉は「かど」、ものの周辺の角張った縁のこです。
上巨虚と下巨虚は、足の脛の盛り上がった筋肉の上と下の縁に探す。
虚は空っぽという意味ではありません。
三焦者.
上合手少陽.出于關衝.關衝者.手小指次指之端也.爲井金.
溜于液門.液門.小指次指之間也.爲滎.
注于中渚.中渚.本節之後.陷中者也.爲腧.
過于陽池.陽池.在腕上.陷者之中也.爲原.
行于支溝.支溝.上腕三寸.兩骨之間.陷者中也.爲經.
入于天井.天井.在肘外大骨之上.陷者中也.爲合.屈肘乃得之.三焦下腧.在于足大指之前.少陽之後.出于膕中外廉.名曰委陽.是太陽絡也.手少陽經也.
三焦者.足少陽太陰之所將.太陽之別也.上踝五寸.別入貫腨腸.出于委陽.並太陽之正.入絡膀胱.約下焦.實則閉癃.虚則遺溺.遺溺則補之.閉癃則寫之.
三焦は.上は合手少陽に合す.關衝に出る.關衝は.手小指次指の端なり也.井を金と為す.
液門に溜す.液門.小指次指の間なり也.滎と為す.中渚に注す.中渚.本節の後.陷なる中のもなり也.
腧と為す.
陽池に過ぎる.陽池.腕の上に在り.陷なるものの中なり也.原と為す.支溝に行す.
支溝.腕の上に三寸.兩骨の間.陷なるものの中なり也.經と為す.
天井に入る.天井.在肘の外、大骨の上に在り.陷なるものの中なり也.合と為す.
肘を屈して乃ち之を得.三焦の下腧は.足の大指之前.少陽の後に在り.
膕の中の外廉に出る.名づけて委陽と曰う.是れ太陽絡なり也.手少陽經なり也.
三焦は.足の少陽太陰の將う所.太陽の別なり也.踝の上五寸.別れて入りて腨腸を貫き.委陽出る.
太陽の正に並んで.入りて膀胱に絡す.下焦に約す.實は則ち閉癃す.虚は則ち遺溺す.
遺溺は則ち之を補う.閉癃は則ち之を寫す.
※在于足大指之前、足の太陽の前にあり
足の少陽太陰の將う所。太陰は太陽かあるいは少陰腎。太陽が自然。將は養う。助け支える
腨腸はせんちょう。ふくろはぎ
閉癃は尿閉塞による膀胱腫瘤。
遺溺すは尿失禁。
手太陽小腸者.
上合手太陽※.出于少澤.少澤.小指之端也.爲井金.
溜于前谷.前谷.在手外廉本節前.陷者中也.爲滎.
注于後谿.後谿者.在手外側.本節之後也.爲腧.
過于腕骨.腕骨.在手外側.腕骨之前.爲原.
行于陽谷.陽谷.在鋭骨之下.陷者中也.爲經.
入于小海.小海.在肘内大骨之外.去端半寸.陷者中也.伸臂而得之.爲合.手太陽經也.
手太陽小腸者.上合手太陽※.出于少澤.少澤.小指之端也.爲井金.
溜于前谷.前谷.在手外廉本節前.陷者中也.爲滎.
注于後谿.後谿者.在手外側.本節之後也.爲腧.
過于腕骨.腕骨.在手外側.腕骨之前.爲原.
行于陽谷.陽谷.在鋭骨之下.陷者中也.爲經.
入于小海.小海.在肘内大骨之外.去端半寸.陷者中也.伸臂而得之.爲合.手太陽經也.
大腸.
上合手陽明.出于商陽.商陽.大指次指之端也.爲井金.
溜于本節之前二間.爲滎.
注于本節之後三間.爲腧.
過于合谷.合谷.在大指岐骨之間.爲原.
行于陽谿.陽谿在兩筋間.陷者中也.爲經.
入于曲池.在肘外輔骨陷者中.屈臂而得之.爲合.手陽明也.
大腸.上で合手陽明に合す.商陽に出る.商陽.大指次指の端なり也.井を金と為す.
本節之前二間に溜す.滎と為す.本節之後三間に注す.腧と為す.
合谷に過ぎる.合谷.大指と岐骨之間に在り.原と為す.
陽谿に行す.陽谿は兩筋間に在り.陷なるものの中なり也.經と為す.
曲池に入る.肘の外の輔骨の陷なるものの中に在り.臂を屈して而して之を得.合と為す.手陽明なり也.
是謂五藏六府之腧.
五五二十五腧.六六三十六腧也.
六府皆出足之三陽.上合于手者也.
是れ謂五藏六府之腧と謂う.五五二十五腧.六六三十六腧なり也.
六府皆足之三陽に出る.上って手に合する者なり也.
まとめ
本日は霊枢、鍼経の本輸第二について説明しました。
前編です。後編に続きます。
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