こんにちは。
尼崎で東洋医学南整体院をやっている南です。
本日はコレステロールについて説明していきたいと思います。
健康診断でコレステロールの値が高いから、薬を飲んでいる、
コレステロールを下げる必要がある、食べのを制限している、
予防のためになど、どうすることが1番いいのか
について説明して行きたいと思います。
コレステロール基準値で騙されている!
コレステロール値は低い方が、良いと思っている方は多いと思います。
それは、実はだまされています。
覚えていますか?
健康診断の血液検査でかつて総コレステロール(TC)があったんです。
メタボ健診が始まってからはLDLコレステロールとHDLコレステロールになりました。
分けて測られるようになってから総コレステロールは廃止されました。
この総コレステロールの廃止の裏には、実は罠が仕掛けられていました。
以前は、総コレステロールが220mg/dlを超えると、高脂血症(脂質異常症)の患者とされました。
この基準値のために、健康な中高年女性の約50%が高脂血症とされました。
高脂血症と診断された人は、コレステロールを下げないと、心筋梗塞や脳卒中になると言われ、
脅されてきました。
総コレステロールの高いほうが長生き
実は、総コレステロールの高いほうが死亡率が低く長生きだったんです。
人間はコレステロールがないと生きていけないからです。
人間の体は30兆個の細胞で作られています。細胞を包んでいる膜はコレステロールと
タンパク質でできています。
脳や神経細胞にある電気信号を伝えるための絶縁膜もコレステロールの多い脂肪できています。
それ以外に、女性ホルモン、男性ホルモン、有名な副腎皮質ホルモンなどホルモンの原料もコレステロール
から作られます。消化液の胆汁やビタミンDもコレステロールが原料です。
コレステロールは体にとって必須の物質であり、体に害をあたえるようなものでは本来ありません。
神奈川県伊勢原市において男性8575人、女性1万3751人を平均6.7年間追跡したものが
下のグラフです。
男女とも総コレステロール値が高くなるにつれて、総死亡率が下がっています。
病気なども、癌、肺炎、脳血管疾患においても総コレステロールが高いほうが
死亡率が下がっています。
コレステロール値と心筋梗塞のリスクは無関係
でも、お医者さんから、コレステロール値が高いと心筋梗塞や脳卒中などのリスクが
あるから、コレステロールを減らしたほうがいいと言われたことはないでしょうか。
コレステリールはそんなにも体に悪いものなのでしょうか・
考えていきたいと思います。
なぜ、LDLコレステロールが悪者にされたのか
アメリカの死亡原因のトップは心筋梗塞です。
この病気は心臓の血管の動脈硬化によって引き起こされたと
考えられていました。そこで動脈硬化になっている血管を調べてみました。
その時に血管内にLDLコレステロールが見つかりました。(※最近の研究では
わずか1%にすぎないことが分かっています。)それでLDLコレステロールが
動脈硬化の原因だとされてしまいました。
心筋梗塞を防ぐには、LDLコレステロールを減らすほうがいいという考えが
広まりました。
心筋梗塞・脳梗塞の原因は?
ところが、近年の研究で真犯人が判明しました。
その犯人とは、血管の炎症だったのです。
動脈硬化を起こす原因は血管の炎症であり、
その炎症を治すために、細胞膜の材料を届けるために
LDLコレステロールが集まってきていたのです。
(Libby P:Scientific American,May,29-37,2002)
炎症が持続的におきることで、修復が繰り返され、ついに、カサブタのように
盛り上がってきます。この盛り上がりをプラークといいます。
このプラークが大きくなればなるほど、心筋梗塞や脳梗塞の危険が
高まります。
この塊りのプラークが血液の流れを塞いだり、破裂して血液が
かたまってしまったり、破裂した内容物が流れて細い血管で詰まったり
命に関わる状態を作り出します。
最近の研究ではプラークと動脈硬化の因果関係はもちろん、動脈硬化と
心筋梗塞の因果関係も疑問視する研究が出てきています。
心筋梗塞の真の原因は血液凝固と考えられるようになっています。
LDLコレステロールは、細胞膜の修復という役割をしているだけです。
心筋梗塞や脳梗塞の真の原因は血管の炎症で、
コレステロールは、基本的に無関係なのです。
コレステロールを下げると心筋梗塞に!!
LDLコレステロールは血管修復活動に働き、炎症防止の
役に立っているわけです。血管炎症がある場合にコレステロールを
減らしてしまうと、逆に心筋梗塞のリスクがアップしてしまうことに
なります。
そんなはずではない。と反論されるかもしれません。
例えば、アメリカの報告では、男性でLDLコレステロールが190㎎/dlを
超えている人で、心疾患系の死亡率が高いというデータがあります。
しかし、このデータには、「家族性高脂血症」という遺伝病が含まれていて、
死亡率が上がっているのはそれが原因です。
家族性高脂血症は遺伝病で、一部の人はLDLコレステロールが過剰に作られる症状と、
心筋梗塞を起こしやすいということがあります。
総コレステロールの基準値がなぜ、そんなに厳しいものだったのでしょうか?
それは、製薬メーカーがコレステロール低下薬を売ってお金儲けをするためです。
総コレステロールの基準値が厳しければ厳しほど高脂血症(脂質異常症)の人が増え、
薬が売れます。厳しい基準値の設定に協力した学会や医師に製薬会社から寄付金が送らています。
しかし、良識のある人から、この基準値にさすがにおかしいんじゃないか
ということで、基準値を決める医師と製薬メーカーは、一計を考えました。
総コレステロールという項目をやめて、
LDLコレステロールとHDLコレステロールにすり替えました。
新項目に替えたからといっても病人を増やそうとする意図はあり、
新しくした基準値は正常者のちょうど中央に異常ラインが引かれました。
アメリカのLDLコレステロール基準値は、薬物治療開始ラインが190mg/dlで、
生活習慣の改善目標値が160mg/dlまでは生活習慣の見直しも不要だといことになります。
ところが、日本の特定健診(メタボ健診)では、
LDLコレステロール120mg/dl以上を保健指導、140mg/dl以上を受診勧奨としています。
要するに、アメリカの基準値全く問題のない160/mgよりも
20mg/dlも低いラインで、日本では「薬を飲んで下げましょう」と
薬を処方されることになります。
この診療指針の基準値作成を主導した大学教授の所属講座には製薬メーカーから
寄付金が3年間で3億150万円振り込まれています(読売新聞2008年3/30朝刊)。
基準値作成にかかわった医師にも製薬メーカーから巨額の寄付金が寄せられています。
このような関係を利益相反と呼ばれ、欧米では大きな社会問題になりました。
それから、欧米では製薬メーカーなどのからの利益相反のある医師は、
こうした基準値づくりから除外されています。
しかし、いまだに日本では利益相反のある医師が大きな発言力を持っているのが現状です。
コレステロール低下薬の「重大な副作用」
コレステロールの基準値が厳しいために
すでにコレステロール低下薬を飲んでいる人がいさっしゃります。
その薬をの飲まれるようになって、体調はいかがでしょう?
結構、コレステロール低下薬の副作用について医師や薬剤師から知らされておらず、
言われるがままに薬を飲んでいる人がいます。
コレステロール低下薬で、よく使われているのがスタチンという薬です。
医薬品添付文書には、次のようなことが書かれていたりします。
●承認時まで実施された臨床試験で、886例中197例(22.2%)に副作用が認められた
●スタチンのこ重大な副作用
1.横紋筋融解症 2.ミオパシー(広範な筋肉痛、筋肉圧痛)3.肝機能性害、黄疸
4.血小板減少
横紋筋融解症とは、筋肉が融けてしまう症状です。スタチンは肝臓に働きかけてコレステロールを
作ることを邪魔をし、脂肪から作られるエネルギー源であるケトン体を作ることも妨害します。
ケトン体はお腹が空腹の時や、寝ている時にエネルギーとして使われます。
ケトン体が不足するので、筋肉にあるタンパク質がエネルギー源として使われます。筋肉が弱っていきます。
この横紋筋融解症は、最初は筋肉痛としてあらわれ、そのままスタチンを飲みつづけると、
尿がチョコレート色になってきます。チョコレート色の尿が出た時は、筋肉が溶け出している証拠です。
さらに、症状が進むと、体に力が入らなくなって歩行などの日常生活にも
支障をきたすようになり、重症化すると呼吸困難にもなったりします。
スタチンの全般の副作用として次のような症状も追加されています。
(英国医薬品庁:Drug Safey Update 2009;3(4):11)
うつ状態、睡眠障害、記憶喪失、性機能障害、間質性肺炎、発がん、多発神経炎、催奇性(サイキショウ=ある物質が生物の発生段階において奇形を生じさせる性質や作用のこと。)
スタチンの6ヶ月~1年間の市販前試験では、10~30%の人に副作用が発生しています。
この副作用の中で最も多い症状は横紋筋融解症と筋肉痛で、23%です。
多くの健康だった人が、病人にされ、本来コレステロール低下薬を
飲む必要のない人が服用することになっています。
医師や薬剤師の出す薬をやみくもに信じ込んでしまうのではなく、
しっかりと副作用について調べる必要があるのではないでしょうか。
コレステロールの基準値表
メタボ健診や健康診断の基準値ではなく、どの基準値が参考となるのか?
日本で初めて性差と年齢差に考慮して作成した基準値です。
大櫛教授ら4名によって発表されたデータです。
30~34歳の基準範囲 | |||||
男性 | 女性 | ||||
目標範囲 | 基準範囲 | 目標範囲 | 基準範囲 | ||
脂質 | 中性脂肪(㎎/dl) | 59~95 | 25~129 | 41~62 | 21~83 |
HDLコレステッロール(㎎/dl) | 44~62 | 27~79 | 61~79 | 43~97 | |
LDLコレステロール(㎎/dl) | 95~133 | 59~170 | 80~111 | 50~141 |
35~39歳の基準範囲 | |||||
男性 | 女性 | ||||
目標範囲 | 基準範囲 | 目標範囲 | 基準範囲 | ||
脂質 | 中性脂肪(㎎/dl) | 62~113 | 14~162 | 41~67 | 16~91 |
HDLコレステッロール(㎎/dl) | 45~60 | 31~74 | 61~81 | 42~99 | |
LDLコレステロール(㎎/dl) | 100~139 | 63~176 | 85~115 | 57~144 |
40~49歳の基準範囲 | |||||
男性 | 女性 | ||||
目標範囲 | 基準範囲 | 目標範囲 | 基準範囲 | ||
脂質 | 中性脂肪(㎎/dl) | 68~133 | 7~194 | 46~74 | 19~101 |
HDLコレステッロール(㎎/dl) | 46~61 | 32~75 | 60~82 | 40~103 | |
LDLコレステロール(㎎/dl) | 105~145 | 67~183 | 98~135 | 62~171 |
50~54歳の基準範囲 | |||||
男性 | 女性 | ||||
目標範囲 | 基準範囲 | 目標範囲 | 基準範囲 | ||
脂質 | 中性脂肪(㎎/dl) | 63~123 | 6~180 | 53~81 | 26~108 |
HDLコレステッロール(㎎/dl) | 46~62 | 31~77 | 57~83 | 33~107 | |
LDLコレステロール(㎎/dl) | 106~146 | 67~185 | 109~148 | 72~186 |
55~59歳の基準範囲 | |||||
男性 | 女性 | ||||
目標範囲 | 基準範囲 | 目標範囲 | 基準範囲 | ||
脂質 | 中性脂肪(㎎/dl) | 60~121 | 1~179 | 53~97 | 12~138 |
HDLコレステッロール(㎎/dl) | 45~65 | 27~84 | 57~82 | 34~105 | |
LDLコレステロール(㎎/dl) | 107~147 | 68~186 | 117~155 | 80~192 |
60~64歳の基準範囲 | |||||
男性 | 女性 | ||||
目標範囲 | 基準範囲 | 目標範囲 | 基準範囲 | ||
脂質 | 中性脂肪(㎎/dl) | 67~116 | 20~163 | 60~98 | 24~134 |
HDLコレステッロール(㎎/dl) | 45~66 | 26~85 | 56~77 | 35~98 | |
LDLコレステロール(㎎/dl) | 108~146 | 72~183 | 118~156 | 82~192 |
65~69歳の基準範囲 | |||||
男性 | 女性 | ||||
目標範囲 | 基準範囲 | 目標範囲 | 基準範囲 | ||
脂質 | 中性脂肪(㎎/dl) | 66~114 | 19~161 | 55~108 | 4~159 |
HDLコレステッロール(㎎/dl) | 46~64 | 29~81 | 55~78 | 34~99 | |
LDLコレステロール(㎎/dl) | 107~145 | 72~180 | 117~155 | 81~191 |
70~74歳の基準範囲 | |||||
男性 | 女性 | ||||
目標範囲 | 基準範囲 | 目標範囲 | 基準範囲 | ||
脂質 | 中性脂肪(㎎/dl) | 64~114 | 16~162 | 67~113 | 23~157 |
HDLコレステッロール(㎎/dl) | 48~65 | 31~82 | 52~77 | 27~102 | |
LDLコレステロール(㎎/dl) | 106~143 | 71~178 | 114~155 | 76~194 |
75~79歳の基準範囲 | |||||
男性 | 女性 | ||||
目標範囲 | 基準範囲 | 目標範囲 | 基準範囲 | ||
脂質 | 中性脂肪(㎎/dl) | 65~101 | 30~135 | 66~118 | 15~169 |
HDLコレステッロール(㎎/dl) | 47~70 | 25~91 | 54~78 | 31~101 | |
LDLコレステロール(㎎/dl) | 106~141 | 73~174 | 113~155 | 74~194 |
「基準範囲」は、正常者の中央の95%の人を含む範囲です。他の問題がなければ、薬物治療
などを必要としない範囲です。「目標範囲」とは、正常者の中央50%の人を含む範囲で、
生活習慣改善の目標とする範囲です。必ずしもこの範囲に入る必要はありません。生活習慣を
変えることで、この範囲に入るようにすればいいです。
終わりに
日本人はコレステロール上昇を本気で考えなければならない人は
少ないです。
日本人の心筋梗塞発症率はアメリカ人の3分の1程度であり、女性は、
男性の半分程度です。しかも、日本人の場合、心筋梗塞死亡率が上昇
するのは70歳以上であり、これはコレステロールの影響ではなく、加齢の
影響が大きいと考えられます。
家族性高脂血症によるリスクを心配なければならない人も、男性の500人に
ひとり(0.2%)です。女性では、家族性高脂血症と心血管系疾患の関係は
強くありません。
日本人の場合、家族性高脂血症の一部や血管に持続的な炎症がある人など、
ごく少数の人を除けば、コレステロール値は高くても全く問題はなく、
下げる必要がありません。
一度調べて見る必要があります。コレステロールについて納得するまで
調べる事をすれば薬の信仰から卒業できるかもしれません。
本日は、最後までご覧いただきありがとうございました。
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